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廃油が海洋汚染に与える影響は?被害の原因やデメリットをご紹介

油によって汚染された海

 

「油」は、私たちの生活に欠かせないものですが、処分方法を誤ると海洋汚染の原因になります。そこで今回は、廃油が海に与える悪影響や現状について解説します。海洋汚染が及ぼす人体への影響についても詳しくご紹介するので、環境問題に興味のある方は、ぜひ最後までご覧ください。

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廃油が海洋汚染に与える影響

海は、漁業資源として私たちの食卓を支えてくれているだけではなく、観光資源、地表熱や二酸化炭素を吸収してくれるなどの、人類にたくさんの恩恵をもたらしてくれています。しかしそんな海が、人間の排出した廃油によって汚染されているという現状があるのです。

 

廃油が海に流れ出すと、魚や海獣、水鳥など、海に生きる生物の命を奪います。直接死につながらなかったとしても、身体にまとわりついた廃油によって体温低下を引き起こしたり、飛ぶことや泳ぐことが困難になったりして、命を落とすかもしれません。

 

またプランクトンは、海洋生態系のピラミッド構造の中でも重要な位置を占めていますが、海面に廃油による油膜が貼られることで光合成ができなくなります。プランクトンが減少し、生態系が徐々に変化すると、間接的に他の生物部にも影響が及ぶでしょう。

廃油によって海が汚染される身近な原因

揚げ物などの料理に使い終わった油は、使用できる回数も限られているため処理しなければなりません。飲食店や食品関係の工場から排出された廃油は業者に回収され新たな資源としてリサイクルされていますが、一般家庭から排出された廃油はそのまま排水口に流されることも多いようです。

 

「一般家庭から出る油は少ないから大丈夫だろう」という考えは危険です。仮に500mlの油をそのまま流すと、魚が住めるきれいな水に戻すためには9万9千Lの水が必要だということが分かっています。そのため、世界中の人が廃油をそのまま捨てると、瞬く間に海洋汚染は広がり、もとに戻すのも困難な状況に陥ります。資源を無駄にしないためにも、1人1人が意識を高く持ち、油は正しく処分しましょう。

廃油による海洋汚染の現状

海上保安庁の発表したデータによると、令和4年の海洋汚染発生件数は468件で、そのうち油による海洋汚染は299件です。油が流れ出した原因は、船舶からの油排出が半数以上で、作業中の誤った操作、機械の破損、船舶海難などが理由として挙げられています。海洋汚染の確認件数は、平成30年から令和3年にかけて増加傾向にありましたが、令和4年には微減しています。

 

しかし以前として、油による海洋汚染が継続していることは明白です。そのため海上保安庁は、漁業関係者に対する講習会の開催や指導などの取り組みを行っています。

出典:k230215_3.pdf (mlit.go.jp)

廃油による海洋汚染は人体に悪影響を及ぼすことも

廃油による海洋汚染は、私たちの健康面や生活にも悪影響を及ぼします。海に油が流れ出ると、あらゆる生物に影響を及ぼすため、普段口にしている海洋生物の漁獲量にも影響するでしょう。海洋生物の数が減るだけではなく、残った生き物に石油臭が染みつくことで、漁獲した生物が商品にならないなどの問題も考えられます。

 

また、見た目や匂いに異常がない場合でも、廃油を体内に取り込んだ魚を食べればば、健康被害を受けてしまうことは明白です。人間をはじめ、魚を捕食する生物全体への影響も連鎖的に広がっていきます。

廃油を正しく処理して海洋汚染を防ごう

本記事では、廃油が海洋汚染に与える影響について解説しました。油が海を汚染する理由の大部分は、船によるものですが、一般家庭や飲食店から流出する油もゼロではありません。廃油によって海がどのような悪影響を受けているのかを正しく知り、環境保護のために自分ができることを考えてみましょう。

 

 

 

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