SDGsは17個のゴールで構成されていますが、SDGsのゴール14「海の豊かさを守ろう」の項目をご存知ですか？今回は、SDGsの海洋汚染にまつわる項目について解説します。海洋汚染の現状や今後の課題、私たちができることも併せてご紹介するので、ぜひ最後までお読みください。

この記事を読むための時間：3分

SDGsの目標14「海の豊かさを守ろう」とは

ここでは、SDGsのゴール14の内容と、ターゲットについて詳しく解説します。

内容

SDGsのゴール14は、海の環境保全にまつわる目標です。地球上のおよそ70%は、海でできているといわれており、たくさんの海洋生物が住んでいます。海の環境をより良くしていくことで、それらが織りなす生態系を持続可能な形で保存し、海洋汚染から守ることを目的としています。

ターゲット

ゴール14の具体的なターゲットは4つあります。1つ目は「海洋汚染の防止と削減」で、2025年までに、人間の活動によって引き起こされる海洋汚染を防止・大幅削減することです。2つ目は、「海の中の生態系のバランスを回復させるための取り組みを行う」ということで、2020年までの目標でしたが、完全に達成されたとはいえないでしょう。

3つ目のターゲットは「海洋酸性化の対処」で、さまざまな科学的協力を通して、海洋酸性化に対処していくことです。4つ目のターゲットは「水産資源の回復と持続的な利用」です。当然のことですが、エビやカニ、魚などを獲り過ぎてしまうと、生態系に影響を及ぼしてしまいます。

そのため、水産物を漁獲する際は、再生の量やスピードを考慮し、永久に持続可能な形で海の恩恵を受けることを目指そうとする内容です。

海洋汚染の現状

ここからは、深刻化している海洋汚染の現状について解説します。

海洋汚染

海洋汚染の原因は多岐に渡りますが、そのほとんどは陸地から受けた影響だといわれています。例えば、工業及び農業用排水、未処理の廃油、下水、ゴミなどが海に流れ込むことで、水質を汚染しているのです。

海洋温暖化

地球温暖化と聞くと、地表の温度を想像しがちですが、同時に海水の温度も上昇しています。海水の温度が上がると、潮の流れに変化が起きて、海の生態系バランスに影響を及ぼします。

また近年、観測記録に残るような豪雨が相次いでいる理由として、海水温の高さが挙げられていることもあるため、水温上昇は一刻も早く改善すべき課題だといえるでしょう。

海水の酸素欠乏

温室効果ガスによって、海水の温度が上昇することは先ほどお伝えしましたが、同時に水中内の酸素量が欠乏することもわかっています。海水の酸素量が減ると、プランクトンやその他の海洋生物が酸欠状態に陥り死滅してしまうため、一刻も早く改善しなければなりません。

海水の酸性化

海が二酸化炭素を吸収することで、酸性化することをご存知でしょうか。海水が酸性に傾くと、サンゴや貝類、甲殻類など殻を作る生き物の生存に影響が出てきます。このままのペースで行くと、2030年には地球上のサンゴ礁がほぼ消滅すると言われているほどで、事態は深刻です。

サンゴ礁や海岸などの主成分は主に炭酸カルシウムと呼ばれる物質で、酸に溶けやすい特徴があります。そのため、海の酸性化が進むと、サンゴや貝類、甲殻類などの身体が十分に形成できなくなってしまうため、早く食い止めなければなりません。

海を守るためにやるべきこと

まず第一に、生活排水に気を配りましょう。海の近くに住んでいなくても、排水溝から流れ出したものは、最終的に海に行き着く可能性があります。自然に悪影響を及ぼす刺激の強い化学薬品や、リン酸塩を多く含む洗剤はできるだけ避けましょう。

また、キッチンで使用する油の処理にも注意が必要です。廃油は絶対に排水口にそのまま流さず、市販の凝固剤で固めたり、少量であれば紙に吸わせて捨てたりするなどの工夫をしましょう。飲食店など、大量の廃油が出る場合には、専門の回収業者に委託する必要があります。

海を守るためにできることを見直そう

本記事では、SDGsの海洋汚染にまつわる目標について徹底解説しました。海洋汚染は、世界が抱える問題の中でも、かなり深刻化しているといえます。海の資源を守るためにも、私たちができることを今一度考え、SDGsの目標達成に向けて1人1人が努力しましょう。